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Web制作とWeb開発の違い4選!どっちがおすすめか経験者が解説

「Web制作とWeb開発の違いって何?」
「未経験から始める場合、Web制作とWeb開発どっちがおすすめなの?」

Web業界に転職を考えている、または副業を始めたいと思っているけど、Web制作とWeb開発の違いがよくわかっていない方も多いのではないでしょうか。

Web制作は、Webサイトの「見た目の部分」を中心に制作する仕事で、Web開発は、Webサイトの「機能や動作の部分」を中心に開発する仕事です。

言葉が似ているようですが、実は全然違う作業を行います。

そこで今回は、以下の内容を解説していきます。

  • Web制作とWeb開発の違い4選
  • Web制作とWeb開発どちらがおすすめなのか
なべちゃん

この記事を書いた僕は、独学からプログラミング学習を始めてコーダーとして企業に就職。Web制作やシステム開発経験を経て、現在はフリーランスのプログラマーとして活動中。

この記事を読めば、Web制作とWeb開発の違いがわかり、自分にとってどちらを選択すべきか明確になるでしょう。

これからWeb業界に転職または副業を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

Web制作とWeb開発の違い4選

Web制作とWeb開発は、言葉は似ていても仕事内容や必要なスキルなど、異なる部分は多いです。

ここでは、Web制作とWeb開発の違いについて、以下の4つの観点から解説していきます。

  1. 仕事内容の違い
  2. 年収の違い
  3. 必要なスキルの違い
  4. 将来性の違い

①仕事内容の違い

Web制作

Web制作は、Webページを中心としたユーザーが実際に目にする部分の制作を行う仕事です。
また、マーケティング施策もWeb制作に含まれることがあります。

具体的な仕事内容の例は、以下の通り。

  • ユーザーにとって見やすく、使いやすいデザインを作成する。
  • デザインをもとにHTML・CSS・JavaScriptなどの言語を使ってコーディングを行う。
  • Webサイトでユーザーに適切な情報を届ける、商品の購入に繋げるためにマーケティング施策を行う

このようにWeb制作は、ユーザーがサイトに触れる部分を中心とした制作を行います。

Web開発

Web開発は、Webサイトの裏側やシステムを中心とした機能や動作の開発を行う仕事です。

具体的な仕事内容の例は、以下の通り。

  • 会員機能の実装
  • SNSアプリのメッセージ機能の実装
  • お問い合わせのメール送信機能の実装

ユーザーがサイトやアプリで操作した後のデータを処理しているイメージです。

このようにWeb開発は、ユーザーが触れるページの部分ではなく、裏側で行っている処理を中心に開発します。

Web制作の仕事内容について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

関連記事:【初心者向け】Web制作の具体的な仕事内容を徹底解説

②年収の違い

Web制作

Web制作の中でも、職種によって年収に違いがあります。

ここではWebデザイナーとWebディレクターの平均年収を参考に見ていきます。

  • Webデザイナー:466万円
    月給で換算すると39万円、初任給は24万円程度が相場。
  • Webディレクター:488万円
    月給で換算すると41万円、初任給は24万円程度が相場。

参考:求人ボックス Webデザイナーの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
参考:求人ボックス Webディレクターの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
※2025年2月19日時点のデータ

なべちゃん

データから比較すると、Web制作の中でもWebデザイナーよりWebディレクターの方が少し年収が高い傾向にありますね。

Web開発

Web開発の中でも、企業や開発の規模によってどのような業務を行う職種なのか異なりますが、ここではWebエンジニアとして平均年収を見ていきます。

Webエンジニア:516万円
月給で換算すると43万円、初任給は24万円程度が相場。

参考:求人ボックス Webエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
※2025年2月19日時点

なべちゃん

Web制作のWebデザイナーやWebディレクターと比較すると、Webエンジニアの平均年収の方が少し高い傾向にありますね。

③必要なスキルの違い

Web制作

Web制作は、Webサイトの見た目やマーケティングに関連するスキルが必要になります。

理由は、仕事内容でも解説した通り、Webページを中心としたユーザーが実際に目にする部分の制作を行う仕事だからです。

例えば、以下のようなスキルになります。

  • Webサイトのデザインを作成するスキル
  • デザインをもとにページのコーディングを行うスキル
  • SEOやアクセス解析などの知識

WebデザインであればPhotoshop(フォトショップ)Illustrator(イラストレーター)などのツールを使用するスキルも必要になります。

コーディングを行う際は、HTML・CSS・JavaScriptなどのスキルが必要です。

Webサイトの分析などはGoogleのアナリティクスサーチコンソールなどの使用スキルが必要になるでしょう。

なべちゃん

このようにWeb制作では、見た目の部分を中心に制作するスキルが必要です。

Web開発

Web開発は、Webサイトの裏側の仕組みや機能の構築に関連するスキルが必要になります。

なぜなら、仕事内容でも解説した通り、Webサイトの裏側やシステムを中心とした機能や動作の開発を行う仕事だからです。

例えば、以下のようなスキルになります。

  • プログラミングスキル
  • フレームワーク・ライブラリに関するスキル
  • データベースに関するスキル

プログラミングはPHPやPython、Rubyといったサーバーサイド(バックエンド)言語のスキルが必要です。

Web開発であっても、HTMLやCSS、JavaScriptなどはフロントエンド開発を行う際に必要なスキルになります。

そして、システムやアプリケーション開発ではフレームワークを使用することが多いです。

フレームワークやライブラリは、プログラミング言語を扱いやすい形にしたもので、PHPであればLaravelやCakePHP、JavaScriptであればReactやVue.jsなどが人気です。

また、Web開発ではデータベースを扱うことも多いため、データの追加や更新、削除といった処理を行うスキルも必要になるでしょう。

なべちゃん

このようにWeb開発はWeb制作と比較して、機能や仕組みの部分を中心に開発するスキルが必要で、より高いスキルが求められます。

④将来性の違い

Web制作

Web制作は現在も需要が高まっており、将来性は十分あると考えられます。

その理由として、現代は自社のコーポレートサイトやWebメディアを持つ企業が増えているからです。

総務省の調査によると、令和4年度に自社でホームページを開設している企業の割合が91.8%であると示されています。

参考:令和4年通信利用動向調査報告書(企業編)総務省 情報流通行政局

しかし、近年ではWeb制作者の競争が激化している傾向があることも事実です。

その要因として、以下の2点が考えられるでしょう。

  • 生成AIやノーコードツールの発達
  • Web制作参入者の増加

生成AIやノーコードツールの発達により、コーディングのスキルがない人でも簡単にWebサイトが作れるようになってきました。

それに加えて、副業や在宅ワークが増えた影響でWeb業界に参入する人が増加し、競争が激しくなっている状態です。

Web制作の需要は拡大しているので、今からはじめても遅くはありませんが、安定して仕事を獲得していくために、コーディングスキル以外の付加価値をつける必要があるでしょう。

Web開発

Web開発も需要が高まっており、将来性があると言えます。

その理由は、以下の2つです。

  • IT市場の拡大が予想される
  • スキルのあるWebエンジニアの需要に対する人材不足

近年はデジタル化やAIなど、IT技術の進歩が続いています。

IT技術の進化は今後も伸び続けると予想されており、それに比例してIT市場も拡大していくでしょう。

経済産業省による「IT人材需給に関する調査」では、2030年には最大79万人IT人材が不足すると予想されています。

※IT需要の伸び率を低位(1%)、中位(約5〜2%)、高位(9〜3%)の3つのシナリオ別に、生産性上昇率が0.7%とした場合の試算結果
参考:– IT人材需給に関する調査 – 調査報告書

IT市場の需要に対して、供給できる人材の数が不足している状況を考えれば、Web開発ができる人材の将来性は高いでしょう。

しかし、プログラミングスクールの増加に伴い、経験年数の浅いWebエンジニアが飽和状態になっていることも近年話題になっています。

Webエンジニアになったからといって、簡単に仕事が取れるわけではなく、しっかりと技術力や自身の強みを磨いていく必要があります。

AIの進化により、簡単な開発作業であればAIに取って代わられることも考えられるため、経験年数の浅いエンジニアの仕事獲得が厳しくなっていく可能性が高いでしょう。

Web制作とWeb開発どちらがおすすめなのか

ここまでWeb制作とWeb開発の違いについて、さまざまな観点から比較して解説しました。

では、これからWeb業界へ転職を考えている、もしくは副業を始めようと考えている人は、どちらがおすすめなのか。

ここでは、Web制作とWeb開発のおすすめな人の特徴を解説します。

Web制作がおすすめな人

Web制作がおすすめな人の特徴は、以下の通りです。

  • 副業を目的に始めたい人
  • Webサイトの見た目を作るのが好きな人
  • 時間や場所を自分で選べる働き方がしたい人

Web制作は、サイトのデザイン作成やページのコーディングなど、比較的短期間で完結できる案件が多いです。

またそれらの作業は、個人で完結できる業務が多く、在宅でマイペースに取り組みやすいため、時間や場所に縛られずに働きたい人にとって始めやすいでしょう。

一方Web開発の案件は、中長期のプロジェクトやチーム開発が前提となる案件が多いため、ある程度の拘束時間が発生したり、開発環境の都合で就業時間が固定されていることもあります。

以上のことから、副業として無理なく始めたい人や、スケジュールを自分でコントロールしながら働きたい人は、Web制作がおすすめです。

ただ、AIやノーコードツールなどの発達によって、単純なコーディング作業しかできないコーダーは仕事が減りつつあるため、付加価値をつける必要があるでしょう。

Web開発がおすすめな人

Web開発がおすすめな人の特徴は、以下の通りです。

  • 転職を目指して高い収入を得たい人
  • Webシステムやアプリなどのサービスを開発したい人
  • 論理的に考えるのが得意で、技術的なことに興味がある人

Web開発は、システムやアプリの裏側の仕組みを開発する仕事が中心で、高度な技術力が求められる分、収入も比較的高い傾向にあります。

また、開発案件の多くは中長期のプロジェクトになるため、転職して本格的にWebエンジニアとしてキャリアを積んでいきたい人に向いているでしょう。

さらに、Web開発の現場ではチームで役割を分担して開発するケースが多く、他のメンバーと連携しながら進めるためコミュニケーションも必要になります。
※Web制作でもチームで動くことはありますが、Web開発の方がより分業体制で進行する傾向があります。

このように、システムやアプリの技術的なことに興味があり、Webエンジニアとして本格的にキャリアを積んで収入をアップさせたい人には、Web開発がおすすめです。

また、Web開発の場合でも、AIの発達によって単純なプログラミング作業しかできないエンジニアは、仕事が減りつつあるため、付加価値をつける必要があるでしょう。

まとめ

Web制作は、Webサイトの「見た目の部分」を中心に制作する仕事で、Web開発は、Webサイトの「機能や動作の部分」を中心に開発する仕事です。

Web制作は、以下のようなスキルが必要になります。

  • Webサイトのデザインを作成するスキル
  • デザインをもとにページのコーディングを行うスキル
  • SEOやアクセス解析などの知識

一方、Web開発は以下のようなスキルが必要です。

  • プログラミングスキル
  • フレームワーク・ライブラリに関するスキル
  • データベースに関するスキル

Web制作に比べてWeb開発の方が、より高度な技術が必要なことから年収が高い傾向にあります。

これからWeb制作を始めるのがおすすめな人は、以下の通り。

  • 副業を目的に始めたい人
  • Webサイトの見た目を作るのが好きな人
  • 時間や場所を自分で選べる働き方がしたい人

また、これからWeb開発を始めるのがおすすめな人は、以下の通り。

  • 転職を目指して高い収入を得たい人
  • Webシステムやアプリなどのサービスを開発したい人
  • 論理的に考えるのが得意で、技術的なことに興味がある人

Web制作もWeb開発も需要が高く、将来性の高い職種ですが、AIの発達により単純にコードを書くだけの仕事はなくなっていく可能性が高いため、スキルアップを目指しつつ付加価値をつけていくことが重要になるでしょう。